アソビの倉庫

短編小説、演劇脚本、写真など、わたくし結希遊の作品を掲載しております

「うさぎと少女」

うさぎと少女は仲良し

トイレにだってお風呂にだってついてくる
寝るときも一緒
起きるときも一緒

ご飯も仲良く分けて食べる
「今日のご飯はみそラーメンですよ」
「たくさんたべますねー」

一緒におまごとしながらお母さんを待ちます
トントントン
「今日のご飯はステーキですよ。おいしいですか?」
「あっ!もうーおとなしくしてよ。おままごとなんだから。だめ!もー」

ガチャ

「あ、お母さん帰ってきた!お母さんおかえり!」

バサッ
ガチャ

「…お母さん。お仕事忙しいみたい。けど、ご飯買ってきてくれたよ。サンドイッチあるよ。一緒に食べよ」

「ほんとあなたは寂しがり屋さんね。大丈夫だよ。一緒だよ」

うさぎと少女は寄り添って眠る
うさぎと少女は寄り添って生きる

「ごめん。ごはんなくなっちゃった」

うさぎは文句を言わない
ただただ少女の隣にいる

「ごめん。今日もお母さん帰ってこなかった。ごはん我慢してね」

うさぎは何も言わない
ただただ少女の隣で眠る

「ごめん。ちょっと調子が悪いみたい。今日はおままごとできないや」

うさぎは何も言えない
ただただ少女の隣で生きる


少女は文句を言わない
少女は何も言わない
少女は何も言えない


うさぎと少女は寄り添って眠る
うさぎと少女は寄り添って生きる

「おなかが減ったなぁ」
ぼそりと少女が呟いた

うさぎはおままごとセットのお皿に横たわる
うさぎは安らかに眠る

少女はフォークを持った
少女は今日を生きた


次の日少女は救い出された
少女はおままごとをしなくなった